大人こそ知っておきたい中学公民学び直し

大人が中学公民を学びなおすためのサイトです。ニュースに出てくるような政治経済の難しい言葉のほとんどは中学公民を勉強すれば理解できます。大学で政治学や経済学などの社会科学系をやっていない人にも理解しやすいように作っておりますので、ゆっくりと自分のペースで読み進めてください!

(1.1.1)少子高齢化の社会と日本の挑戦

第一編「私たちと現代社会」の第一章「私たちが生きる現代社会の特色」です。

一つ目は「少子高齢化の社会と日本の挑戦」というテーマです。

 

少子高齢化が進行するとともに、介護や育児の問題が深刻になっている現代社会。

果たして解決策はあるのでしょうか。

キーワードを押さえつつ、皆さん自身でも何か意見を出していただけると嬉しいです。

 

それでは、早速読んでいきましょう!

 

「《日本の人口減少と少子高齢化

日本の人口は2008年から減り始めました。一人の女性が一生のうちに産む子どもの数が減ってきたからです。これは先進国に共通する傾向ですが、なかでも日本は総人口に占める子どもの割合が小さい少子国として知られています。2060年の『公民』の教科書には、日本の人口は8700万人と書いてあるかもしれません。

 子どもの数が少なくなれば、兄弟姉妹の数は減り、廃校となる学校も出てきます。やがてその世代が大人になるときには、社会の中で最も元気な働き手の数が減少して、社会の活力が弱くなる心配があります。

 いっぽうで、日本人の平均寿命はのび続け、日本は今や世界で最も人々が長生きする国になりました。子どもが減って人々が長生きするようになれば、人口全体に占める65歳以上の高齢者の割合は上がります。こうした変化は少子高齢化と呼ばれています。

 

少子高齢化への取り組み》

私たちは、若い時代に家族や企業、社会を支えてきた高齢者の長生きをお祝いしたいと思います。しかし高齢者が増えれば、医療や介護を受ける人の数は増えるため、高齢者のくらしを社会全体で支えるしくみを充実しなければなりません。

 出産・育児でも、お母さんが安心して子どもを産み、両親が子どもを育て、家庭生活と調和させて働けるようになることが必要です。子どもの成長を助ける学校や地域の環境も充実しなければなりません。

 

少子高齢化への挑戦》

少子高齢化の解決のためには、私たちのくらしも、政治や経済のしくみも変わっていかなければならないでしょう。少子高齢化を大変な社会問題と考えるのではなく、その中で皆が豊かに暮らせる社会をどう作っていくかを考えなければなりません。現在は先進国を中心に少子高齢化が問題となっていますが、やがてこの傾向は多くの国に広がるでしょう。世界に先駆けて少子高齢化を迎えた日本がどのようにして問題を解決するかには、世界が注目しているとも言えます。私たちの知恵が試される時代に、私たちは生きているのです。 」

 

 

 

 

 

まずは、日本の人口減少と少子高齢化というところから見ていきましょう。

ここにも書いてある通り、日本の人口は2008年から減り始めています。

少子高齢化でおじいさんが増えるとかそういう次元の問題ではなくて、シンプルに人口自体が減っている、おじいさんもいなくなっている、というのが現代社会の現状です。

 

これは特に地方で顕著に表れています。

例えば高知県の大川村では人口減少が激しすぎて村議会の存続が危ぶまれ、村民総会をやるべきではないかという議論さえ出ています。

 

そして、子供の数が少なくなれば、もちろん学校とかの教育施設のあり方も今とは変わってくると思いますし、

一学年に250万人居たような時代と、一学年で100万人いるかいないかの現代では、学校の数が同じでいい訳が無くて、当然ハード面・施設の整備の方法も考えていかないといけない、変えていかないといけないというのは間違いなくあると思います。

 

また、15歳から64歳までの人の数を生産年齢人口と呼ぶこともありますが、生産年齢人口が減れば政府の税収等も減って、社会保障制度を維持するというのも難しくなります。

税金で社会保障をしようと思っても、税金を払う人がいなくなるからです。

 

 

だからこそ少子高齢化が由々しき事態として話題になるのですが、18歳人口が少なくなっているという事は18年前からわかっていたので、ここ十数年の中で何か有効な解決策を出せなかった、という政治の機能不全も大きな問題だと思います。

 

 

人口ピラミッドの変化はずっと前からわかっていたので、 何かしらの少子化を食い止める策があっても良かったんじゃないかという気はします。

 

ただ、それを「お前が考えろ」と言われるとなかなか難しいもので、簡単に思いつくものではないですし、仮に思いついても実行力がなかったり、様々な困難が存在します。

 

 

 

 

 

少子高齢化への取り組みというところを見てみましょう。

この教科書の読者である中学生が高齢者の長生きをお祝いしたいと思っているかは別として、高齢者は社会のお荷物だから苦しんでおいてください、というのは倫理的に間違っている気がします。

 

医療や福祉に税金が投入されることもある程度は許容するべきです。

 

しかし、社会保障のシステムを維持することは簡単なことではありません。

 

例えば年金ひとつとっても、現在は賦課方式と言って、現在の現役世代が現在の高齢者を支える仕組みになっています。

そして、高齢者一人に対して支えなければならない生産年齢人口は年々減っているので、生産年齢人口一人当たりの負担はどんどん重くなっています。

 

 

 

厚生労働省の資料を載せておきます。

 

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こうしてみると、もう年金制度を賦課方式で維持すること自体が不可能になっているのではないかとも思えます。

制度設計も含めて広範囲において見直しを進めていかなければなりません。

 

また、出産や育児の環境を整えることも必要です。

そう考えると、今の政権がやっている政策というのはとてもちぐはぐな感じがします。

 

一億総活躍社会だと言って、「女性も大学に行こう」「女性も仕事をしよう」と言っている割に、「もっと子供を産め」というのは少々無理な要求だと思います。

もちろん女性の社会進出を進めながら出生率も維持している国もありますが、日本では現状、そうなってはいません。

 

また、これだけ少子化が進んでいるのに待機児童がいるというのも一見不自然な話ではあります。

待機児童問題というのは主に都市部の話で、地方ではむしろ幼稚園や保育園の経営が成り立たないことの方が問題です。

少子化問題と待機児童問題が併存しているの現状は、地域ごとの人口の偏在であったり、保育士の労働環境の問題であったりと、現代社会の様々な問題を反映しています。

 

このように、少子化問題からスタートして、別の問題が見えてくることもあります。

 

 

ここで内閣府の資料を見てみましょう。

 

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子供をもつときの不安として、経済的負担や仕事との両立、不安定な雇用といったような、主に経済面での心配が大きいようです。

そう考えると少子化問題は子どもが少ないという問題であるだけでなく、経済や雇用の問題でもあるとも言えます。

 

余談ですが、少子化問題だけでもこれだけの論点があるので、縦割り行政で省庁ごとに担当事務を持っている仕組みも限界にきているのではないかという不安もあります。

 

 

 

少子高齢化の挑戦というところに進みましょう。

ここは本当にいいことが書いてあって、少子高齢化を大変な社会問題と考えるのではなくて少子高齢化の中でどう暮らしていくかを考えていくことが必要です。

少子高齢時代だからこそできることを考えるべき時でもあります。

少なくとも、今のシステムのままズルズルやっていくと破綻することはもはや目に見えています。

世界が注目しているかは知りませんが、近い将来起こると既に分かっている問題から目を背けることできないですし、国民全体で考えていくべきことであります。