大人こそ知っておきたい中学公民学び直し

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(1.3.2)「対立」と「合意」~見方や考え方 その1~

次のテーマは対立と合意です。

社会で生きていれば必ず誰かと対立します。

殴り合いになることはないにしても、いやな思いをすることはあるでしょう。

そんな時、納得とまではいかなくても、最低限受け入れられる合意に達するにはどうしたらいいでしょうか。

そういったことを考えながら読み進めてください!

 

 

 

 

 

「《対立と合意とは》

  人間には個性があり、それぞれ違った意見や利害を持ちつつ生きています。例えば日常生活では、家族で夏休みの旅行先を決める場合に、違う意見が出ると話し合いをします。社会でも、企業の間の売買の交渉や、国の政治において税金をどうするかなど、様々な場面で問題や争いが起こる可能性があります。こうした状態を対立という言葉で表しています。対立が生まれるのは、個人の尊厳が認められ、多様な意見がある社会だからこそと言えます。

 しかし私達がこうした対立の状態を続ければ、問題の解決にはなりません。関係する人々が互いの権利や利益を保証できるように、解決策を探すことになります。そして関係する人々がその解決策に互いに納得しない受け入れることを合意という言葉で表しています。

 対立を解消し合意することは、個人の選択する自由を最大限に尊重しつつ、多様な意見を生かすことになります。こうした対立から合意を繰り返し、社会は新しい活力を得て発展していきます。

 

《合意する方法》

  では、多様な意見が対立した時、私たちはどのようにして合意に達することができるでしょうか。まずはやはり関係する皆でよく話し合うことが基本です。話し合いの時に大事なことは、人の意見をよく聞くこと、そして自分の意見をしっかり述べることです。その上での合意であれば自分たちで決めたことですから、みんなで守ろうとする気持ちになるのではないでしょうか。

 話し合ってもなかなか合意できない場合、全員一致にこだわれば、一人でも反対すると合意できないことになります。そこでよく用いられているのは多数決という方法です。大きな集団の場合は、代表者を選挙で選んで、その代表者が集まって議論し、その決定を委ねる方法がとられます。

 ただしみんなで決めたり多数決で決めたりするのが良いといっても、すべてをこうした方法で決めることは許されるのでしょうか。この事を考えるための手がかりを次のページで見ていくことにしましょう。」

 

 

 

 

ここはすごく奥の深い内容ですね。

この問題に足を踏み入れるとなかなか抜け出すことはできません。

合意形成することはとても難しいことなのです。

 

本文にもあるように、家族や友達でどこか行き先を決めるだけでも対立することがあります。

例えば、友達とご飯を食べに行くとして、自分は中華料理屋さんに行きたい、 友達は和食のお店に行きたい、という状況になったとします。

どちらかが相手の意向を尊重して譲ってあげることができたら揉めることはありません。

また定期的に何度も会っている友達であれば、今日は自分の主張を聞いてもらって、次に会う時は相手の好みに合わせる、ということもできるかもしれません。

 

しかし両方が互いに一歩も譲らなければ、合意に達する可能性は低いでしょう。

 

この程度の問題であれば、大抵の場合は大きく揉めることなく解決するのですが、例えば企業間の契約という場面で、一方は契約したい、一方は契約条件を見直して欲しい、という場合には何らかの妥協案や折衷案が必要になります。

 

政治の世界なども基本的には同じで、異なる主張があれば必ず対立が生まれます。

北方領土問題なども、日本側は4島を全てを返還してほしいと言っていますし、ロシア側は2島を返還すると言っています。

その結果なかなか話し合いがまとまらず、現在においても北方領土が今後どうなるかは不透明なままです。

 

 

 

しかし考えようによっては、これは自由な発言が認められている恩恵であるとも言えます。

恩恵という言葉は大げさですが、本文にもあるように、違う意見が出ると対立するということは、意見を出すことを容認されているからこそとも言えます。

 

これは極端な例ですが、例えば絶対王政の国家などであれば、 王様の言うことが絶対なので、対立するまでもなく王様の主張が通ることになります。

絶対王政においては、王様が死刑と言えば死刑なので、そこで反論したり対立したりする余地はありません。

そう考えると、自由に発言した上で対立する社会というのは、ある種健全なのかもしれません。

 

 

ただ実際問題として、対立しっぱなしでは話が進まないので、何かしらの形で合意する必要があります。

心の底から納得したわけではなくても、何かを諦めて何かを決める必要があるのです。

 

 

 

 

そこで合意に達する方法というものを考える必要があります。

 

さっきの友達とご飯に行く場面であれば、大抵の場合は話し合いで解決するでしょう。

二人か三人くらいであれば、話し合いによって合意を得ることはそれほど難しくないことだと思います。

 

しかしもっと人数が増えると、話し合いがまとまらない場合があります。

そんな 時によく用いられるのは以下の方法です。

 

・抽選くじ、じゃんけん

・誰かの独断

・全員一致

・多数決

・加重多数決...etc

 

パッと思いついたのはこれくらいですが、他にもたくさんあるでしょう。

 

抽選やじゃんけんというのは分かりやすいですね。

要するに運任せということです。

例えば掃除当番を決めるときなんかは、これくらいサクッと決めてしまっても良いのではないでしょうか。

 

 

 

 

誰かの独断というのも、響きは良くないですが意外とたくさんあります。

スポーツチームの監督が、「ナオキ、お前キャプテンやれ」というように任命することはたくさんありますし、それほど問題のある方法でもありません。

ここで問題になるのは、その決定権がある人が、自分のためではなくチームや集団全体のことを考えて決定を下すということです。

「なんとなく決めた」ではなくて、この人をキャプテンにすることがチーム全体のメリットになると判断した上で決定を下す必要があります。

フランスのルイ16世などがボコボコに叩かれていたのは、自分の利害のために法律を変えたり、気に入らない人間を死刑にしたり、権力を使って自分の欲求だけを満たそうとしたからです。

もし、ものすごく頭が良くて優しい王様が国民のことを思って次々とスピーディーに政策を繰り出していくのであれば、 絶対王政もそれほど悪いものではありません。

 

 

 

 

合意の手段として全員一致制をとる場合もあります。

例えばヨーロッパ連合(EU)において外交的な決定を下すときの条件として、加盟国の全会一致原則があります。

 

※話し合ったわりに何も決まらないという批判もあって、全会一致原則は見直しを求める声もあります。

 

 

 

 

合意形成の手段として一番よく使われるのは多数決でしょうか。

国会議員の選挙なども基本は多数決ですね。

選挙制度に関しては政治の所でもっと詳しくお話しします。

 

小選挙区制の政治であれば一番たくさん票を取った人が気になるので、わかりやすく多数決の一種だと思います。

 

 

 

 

これと似たような方法で、重みづけされた多数決というのもあります。

お笑いや歌のテレビ番組などでよく見る方法ですが、審査員は一人10点、観覧者は一人1点といった感じで採点する方法というのも見受けられます。

これはまさしく重み付けされた多数決で 、国会議員の選挙などでは選挙者によって票の重みが変わることは許されていません。

 

今回は合意形成をするための方法についてお話ししましたが、次回はどういった観点から合意形成していくかということに関して学習していきます。

お楽しみに!

 

noteでは、よりマニアックなテーマで書いています。お時間あれば是非お願いします。

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