大人こそ知っておきたい中学公民学び直し

大人が中学公民を学びなおすためのサイトです。ニュースに出てくるような政治経済の難しい言葉のほとんどは中学公民を勉強すれば理解できます。大学で政治学や経済学などの社会科学系をやっていない人にも理解しやすいように作っておりますので、ゆっくりと自分のペースで読み進めてください!

(2.1.2.4)差別のない社会へ

今回のテーマは「差別」です。

昔に比べれば日本における差別問題は幾分改善されてはいますが、それでも現代社会に暗い影を落とす問題であることに変わりはありません。

なぜ差別が起きるのか、改善の為にどのような努力がされているのか、そもそも差別はいけないことか、といったように考えを巡らせながら読んでみてください。

 

 

 

 

「《部落差別をなくすために》

部落差別とは職業選択の自由や結婚の自由などの権利や自由が、被差別部落の出身者に対して完全に保証されていないことを指します。

1922年に全国水平社が創設されて以来被差別部落の人々を中心とする差別からの解放を求める運動が粘り強く進められてきました。その結果、政府の同和対策審議会の答申では、1965年、同和問題が人間の尊厳に関わる問題であり、早急な解決が国の責務であり、国民の課題であると明記しました。この方針に基づいて制定された同和対策事業特別措置法などによって、対象地域の生活環境はかなり改善されてきました。しかし、今なお就職や結婚などで差別が見られます。差別を許さない運動や学校や社会で差別をなくす教育が進められて、多くの人が差別に立ち向かっています。

 

アイヌ民族への差別》

我が国は、単一民族・単一言語の国ではなく、アイヌ民族が主に北海道に専従していました。明治政府が北海道を領土として組み入れてから、アイヌ民族固有の言語と文化や宗教が生まれました。民族としての尊厳が踏みにじられたばかりでなく、国が与えた土地に縛られ、居住や職業選択の自由も制限され、貧しい生活を強いられました。

 そこで我が国は、1997年にアイヌ文化振興法を制定しました。2007年には国連で採択された先住民族の権利に関する国際連合宣言を受けて、2008年国会はアイヌ民族先住民族とすることを求める決議を採択し、アイヌ民族の名誉と尊厳を守り、文化と誇りを継承する政策の推進を決議しました。これらの政策の実現にはアイヌ民族衣の国民の理解が進むことが大切です。

 

《在日韓国・朝鮮人差別》

我が国は、第二次世界対戦が終わるまで朝鮮半島を植民地支配していました。現在、朝鮮から移住してきた人々が子孫も含めて我が国には多く住んでいます。これらの韓国・朝鮮の人達は、経済やスポーツなど様々な分野で活躍しています。日本国籍を持たないため選挙権は制限されていますが、公務員への門戸は職務の種類によっては広がりつつあります。しかし、住宅の入居や就職などで差別を受けることもあります。これらの人々の人権保障については、日本で生まれ生活していることなどが考慮されなければなりません。

 我が国にある別の問題を解決するためには、私たち一人ひとりが基本的人権を理解し、多様な文化や社会を認めて、全ての人の市民的権利を保障していくことが大切です。」

 

 

 

今回は差別がテーマですね。

早速解説を始めていきましょう、と行きたいところなんですが、正直このテーマに関してはあまり気持ちが乗ってきません。

なんだか何を言っても叩かれそうな気がして。笑

 

あまり深掘りをせずに分かりにくい言葉をさらっと解説していこうと思います。

 

 

部落差別と言うと今一つ実感がつかめない部分もありますが、歴史の教科書で習うような、「えた・ひにん」と言った物を連想してもらえれば分かりやすいと思います。

 

ひにんの人たちは先祖が犯罪者だったりしたわけですが、あの人たち自身が何か悪いことをしたわけではありません。

それにもかかわらず、現在もずっと差別を受け続ける続けるというのはあまりに不当な仕打ちです。

部落問題は、人種や民族の問題ではなく、封建的な身分制度に歴史的起因をもつ問題であり、また、旧身分の残りかすを主な要因とする社会的不平等の問題でもあります。

 

したがって、部落問題の解決とは、基本的には、日本の自由と民主主義を発展させ、そのなかで旧身分の残滓を解消させながら現代社会の在り方を考えていくことに繋がるのです。

 

 

 

 

 

 

アイヌ民族の問題にも触れておきましょう。

 

アイヌ民族とは、北海道やその周辺地域に先住し、独自の言語や文化を育んできた民族です。

明治に入り、和人が大規模な北海道開拓を始めると、生活の糧である狩猟や採集の場を狭められ、和人への同化が進められるとともに、被支配的な立場に追いやられることになりました。

 

 

明治32年(1899)日本政府はアイヌ民族保護を名目に「北海道旧土人保護法」という法律を制定しました。

アイヌ民族に土地を給付して農耕民族化を進め、日本民族との同化を推し進めました。

 

でもこれ明らかにおかしいですよね。

そもそも「旧土人」って・・・

見下している感は否めません。

 

結局アイヌ民族給付された土地の全面積は9061haで、それは北海道の全面積の約0.1%にすぎず、開拓開始後約30年を経て、その土地の多くは耕作不適地であることがわかりました。

 

要するに、「北海道旧土人保護法」は北海道及びアイヌ民族を日本政府の管理下に置くためだけの法律であって、 アイヌ民族の生活や文化を守って行こうなどという趣旨では全くありませんでした。

 

戦争も終わってだいぶ経った1997年に「アイヌ文化振興法」という法律が制定され、ようやく少しはまともな人権保障がされるようになりました。

※それと同時に北海道旧土人保護法は廃止されました。

 

 

 

 

 

 

在日朝鮮人の問題も難しいですね。

中には親の代からずっと日本に住んでいて朝鮮語は全く喋れない在日朝鮮人も結構たくさんいます。

日本国籍がないというだけで、喋っている言葉も受けている教育も常識やマナーも日本人と全く変わらないのです。

 

朝鮮半島の問題は本当によくわからない部分が多いですね。

つい最近徴用工の問題で賠償金を日本が支払うことになってしまいましたし、少し前には竹島などの問題もありました。

 

その一方で KーPOP ブームなどもあり、若者同士は結構交流があったりするのも普通のことです。

 

ちなみに、在日外国人に選挙権が認められるかどうかについて争った裁判があるので紹介しておきます。

 

 

日本での永住資格を有している在日韓国人が選挙権獲得に向けて起こした裁判です。

 

原告である在日韓国人の側は、自分たちを選挙人名簿に載せることを要求しました。

それに対して大阪市北区選挙管理委員会は却下の処理をしました。

 

原告らは地方選挙において、外国人に選挙権を付与しない規定を定めている地方自治法公職選挙法憲法違反であるとして裁判に持ち込みました。

 

 

地方自治法

第十一条 日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の選挙に参与する権利を有する。

 

公職選挙法

第九条 日本国民で年齢満十八年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。

2 日本国民たる年齢満十八年以上の者で引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有する者は、その属する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。

 

憲法

第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。

 

 

 

 

問題となるのは憲法15条で述べられている「国民固有の権利」というのは日本に永住する外国人にも当てはまるのかということです。

 

学説においては禁止説、許容説、要請説があります。

 

禁止説は、憲法は外国人に対する選挙権の付与を禁止しているとする説です。

この説によれば法律によって外国人に選挙権を与えたらその法律が憲法違反になってしまうということです。

 

許容説は、憲法は外国人に対する選挙権の付与許容しているとする説です。

この説によれば憲法上は外国人に選挙権を与えても与えなくてもよくて、立法府である国会の裁量によって決めることができるということになっています。

 

要請説は、憲法は外国人に対する選挙権の付与を要請しているとする説です。

この説によれば、禁止説とは反対に、むしろ法律によって外国人の参政権を認めることが積極的に必要とされているということです。

 

ちなみに最高裁判所の判決では許容説が採用されたと言われています。

立法機関である国会の裁量でこれからの選挙のあり方を決めていけばいいということにしたのです。